行政手続オンライン化への対応
令和5年9月1日、デジタル庁と日本行政書士会連合会(以下、「日行連」という。)は、「誰一人取り残されないデジタル社会」実現のために必要な事業の企画及び実施に関して、連携協定書を締結しました。以降、この協定に基づき、日行連はデジタル社会に機能する行政書士制度の確立に向けた各種取組を推進しています。
その成果の一例として、事業者が行う補助金申請手続に関し、行政書士が円滑に代理申請を行えるよう、デジタル庁との協議を重ねた結果、令和7年1月より補助金申請ポータル「Jグランツ」に代理申請機能が実装されました。現在、デジタル庁は事業者向けのオンライン上の行政手続について、その入口を共通のポータルサイトに一本化する構想を持っていますが、このポータルサイトに入るためにはJグランツでも使用する「GビズID」が必要となります。つまり、近い将来、事業者向けのあらゆるオンライン・デジタル申請手続における行政書士の代理申請ルートが基本的に確保されたこととなり、非行政書士によるなりすまし防止と、行政手続のデジタル化に対応した業務環境整備に向けて大きな一歩を踏み出しました。
また、被災者支援・子育て・障がい者支援等マイナポータルを利用する手続においても、日行連は代理申請を可能とする仕組みの構築を提言しており、事業者向け手続のみならず国民生活上身近な手続に関するオンライン・デジタル申請についても行政書士による代理が可能となるようデジタル庁との協議を続けています。
行政手続のオンライン化・デジタル化に際しては、手続処理の迅速化とともに、添付書類の簡素化、省略化及び代替化、さらに行政側での審査の効率化が求められます。一方で、公正かつ適切な行政の執行のためには、申請内容の真正性の確保が不可欠です。この点において、全国5万2千人の行政書士は、地域に根ざした法律専門家として重要な役割を担っています。
今後も、行政側と行政書士が連携し、我が国の行政及び社会のオンライン化・デジタル化に向けた取組を進めてまいります。
マイナンバーカードの申請サポートについて
マイナンバーカードの普及は、災害時の給付金等支給の迅速化や、様々な住民サービスにおける行政手続の負担軽減などに直結し、行政に関する手続の円滑な実施に大きく寄与するものでもあります。
また、国/事業主のデジタル手続の認証としては、マイナンバーカードによる認証に一本化されていく予定です。行政書士が行う許認可申請においても依頼者、行政書士ともにマイナンバーカードを所持していることが前提となります。
日本行政書士会連合会では、マイナンバーカードの普及に取り組むこととし、令和4年1月から令和5年3月末まで、総務省からマイナンバーカードの代理申請手続事業を受託して、7万1千件を超える手続を行いました。
令和5年度以降も希望する市区町村と連携し、施設入居者などのマイナンバーカード取得困難者を主な対象に同様の申請サポートを行っています。
